2009年10月3日土曜日

十五夜



うさぎ うさぎ

なに見てはねる

十五夜お月さま

見てはねる


 
 不思議なことが いつの時代も あるものじゃ


 甲斐の国の奥へ奥へと行くと、山を切り開いてつくった処がある。

 人は牧丘と呼ぶそうな。

 その牧丘の ちょうど 入口じゃ。

 病気の人や 病気にならんよう 診てくれる 場所があるそうな。

 もうすぐ十五夜が来るて、そこで 働く若い衆が、

 きれいに すすきや 団子や くりを並べてくれたんじゃ

 
 ところがじゃ

 みな 口々にな 十五個あった団子が十四個しかない と 言っておるのじゃ 

 わしも 行って 確かめてきたさ
 
 ひとーつ ふたーつ みっつ とな

 
 たしかに 言う通りじゃ 14個だ。
 

 どこえ いってしもたか 尋ねても

 みな 口をそろえて 団子の行方は 知らん と いう。


 
 不思議じゃ。

 なんとも 不思議 な 病院じゃ。
 




牧丘 オーハラ

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