2009年12月20日日曜日

人が生きるって何



最近、本を読む時間あり、

院長から貸して頂いた『楢山節考』を読みました。

この著者は山梨出身である。

姥捨て山の話で、自分の母親を山に置いて帰るという話。

読み手の思いはいろいろだと思いますが、私の場合。

人間とは、そういうものである。ということを、この物語を通して具体化されたように思います。



また、発展途上国の国境で、臓器売買や売春が行われている本を

友人から紹介して頂きました。『闇の子供たち』





貧困とは、そもそも何だろうか。

いつから 貧困と自覚するようになったのだろうか。

誰が、貧困を悪と 言うようになったのだろうか。

貧困は、解決されるべき という姿勢でアプローチしていいのか。



『楢山節考』と『闇の子供たち』を読みながら

貧困について 考える。




牧丘 オーハラ

2009年12月18日金曜日

7人の戦士にみえた 5


つづき

最後の出番

 やはり 

小澤ールド(小澤先生の世界) に包まれました。

医師です。

ですが 

看護協会主催の看護師が多く出席する このピリッとした研究発表で

 ハイチの話をしました。

 北アメリカと南アメリカの間に、黒人が住む 貧しい島がありました。

 そこをハイチ共和国と呼び、

 10年以上にわたり、ハイチの人々と共に活動している「ハイチ友の会」の代表。

 小澤幸子です。と。




 そして 大画面で 絵本の読み聞かせを しました。

 次第に 熱が入ってきて、劇団員かのように 本気で絵本の主役になりきる 小澤ールドと大原です。

 絵本の内容は、

手洗いをせず、ご飯を食べて下痢をした少年が、母のトウモロコシスープと友達に教えてもらった手洗いによって、健康を取り戻し、予防を獲得する話。

 これは新型インフルエンザにも合致すると Dr小澤が紹介しておりました。

たいへん 実践に役立つ本です。

  

 一挙に、会場では 世界が広がり

 これにて 研究発表会は 終了しました。


小澤先生、もちろん 医師として 連携について話されました。

 
 しかし、ハイチの印象がつよく。

 
 思わず、このブログに書かせて頂きました。 
 
 
  

そして、ミャンマー服を着ている私。

 看護師として、要領よく働けませんが、

パワーポイント指揮者として、得意分野を活かせる仕事を与えて下さり、ありがとうございます。

 また皆さんと 発表したいです。

 
 
 全国へ 向けて。


 イヒヒ。


牧丘 大原   

7人の戦士にみえた 4


↑の写真は 歯科衛生士さん 管理栄養士さん 病棟NSで訪問に行った時の様子


7番手:I病棟NS I

I看護師さんの何がすばらしいかって、パワーポイントの説明を越えて、自分の言葉で全体を語りました。実は、この方と 発表を共にするのは、これで2度目です。10代の若者かと思うくらい、吸収力がピカイチだと思います。抜群に説得力があり語りが上手です。もし3度目があるのなら、もう その場で思ったことを話してもいいのではないでしょうか。

 彼女が聴衆を魅了した名台詞が二つあります。

「連携への意識の高さは、どのように培われているのですか。」と質問をされた時の返答。

I病棟NS 「在宅生活を望む方が そこに いるからです。」と。

 「なぜ、あなたはエベレストを目指すのか」と問われて「そこに山があるから(Because it is there.)」と答えた、伝説のエベレスト遠征隊のジョージ・マロニーかのように、I病棟NS、キリっと応えられました。


2つ目の名台詞

 「誰がリーダーですか。」と会場から質問がありました。

多くの人が医師ですと 答えるだろうと予測していた中、

I病棟NS「リーダーは、看護師です。」

「在宅へ戻ると、ケアマネージャーです。」と。



 会場を、魅了しました。


 

 あっ、発表の内容については、なぜ 連携が必要かという考察で、

症例を通して、各専門職の具体的役割を説明し、


在宅生活をイメージするために、

在宅生活をなりたたせるために、

互いの役割を再確認し、

視点が違う事で多角的にアプローチできる。とまとめられました。





つづく

2009年12月17日木曜日

7人の戦士にみえた 3


つづいて

6番手:M管理栄養士 

牧丘病院に就職したときは、教えてくれる先輩もおらず、たった一人で栄養士として模索しながら働きました。そして、独学で管理栄養士となり、訪問にでかけるようになりました。

「私を、教えてくれたのは、多職種」だと。

初めての就職先で、栄養士は一人だったという環境故に、


多職種と相談し、話しあえる土俵で育ちました。そして、道を切り開いてきました。


本人は気づいていませんが、各 専門職の役割や視点を、誰よりも一番理解しているのではないでしょうか。


発表では、

在宅で冷蔵庫を開けて家族と話している場面や、

お茶の形態と水分摂取確保を 介護力という視点から 

おばあちゃんから娘さんにシフトしてアプローチ。解決に至った症例。

感動しました。

この研究発表に向けて、夜中の2時まで、悩んだ末、一番すばらしい仕上がりでした。

いつも綺麗なMさんなのに、夜中、あんな眠い顔のMさんを初めてみました。



つづく

2009年12月16日水曜日

7人の戦士にみえた 2


↑の写真は、研究発表にむけてミィーティング中の場面


続いて

3番手:Iケアマネ

病院は敷居が高い。

「だからこそ、自分は病院に足を運び、顔が見える関係性を目指す!。」と


病棟看護師たちが多くいる会場で いい切ったじゃん。

かっこいいですな。



4番手:Y訪問NS

介護力の見極めが大切。

入院中から在宅生活を皆でイメージできるよう

医師やスタッフと情報提供をしていきます。

入院中の様子を、病院へ見に行って病棟看護師と視点を共有しますとおっしゃってました。

なんとも心強い。嬉しい言葉です。



5番手:U歯科衛生士

 歯科衛生士の重要性。伝わったと思います。

具体的な実践例を写真で説明し、

1.口腔領域の清潔が保たれた。

2.摂食・嚥下障害の減少が図られた。

3.QOLの向上が認められた。とまとめました。

これは本当です。

牧丘にきて、よく耳にするエピソードとして、

誰もが無理だとあきらめた時、最後の手段として歯科衛生士さんに関わってもらう。そうすると奇跡のような事例が起こるという展開の物語です。

この奇跡の話を、今回 現実に見せて頂きました。

不随意運動があって、いつもよだれがでて口をカクカクして、ほとんど話せなかった方が、

今では、

安定した食べっぷり、そしてローレライを歌い、体重が3kg増えました。

歯科衛生士って、魔法使いみたい。



つづく

2009年12月15日火曜日

7人の戦士にみえた


看護協会主催で研究発表がありました。

テーマは『連携』

牧丘チームは、連携においては プロの集団。

調整能力は抜群にレベルが高い。


研究発表は、多くの質問と理想的な連携モデル だと講評を頂き、大成功をおさめました。


1番手:牧丘H師長 発表者7名を紹介。

そして最後にパワーポイント操者の私も紹介してくれました。


師長、一番手とあって、聴衆の心をほころばせます。


私は、赤エンジー、白ロンジーのミャンマー衣装で出席(貧乏でスーツがないため。)
 
師長が、「国籍は日本です。」というと ドッと会場が朗らかになった。


いざ、牧丘病院の概要を話し始め、室内が暗くなった。

おもむろに、師長 マイクを片手に「暗くて目がみえないわ。メガネ メガネ・・」

ドッとさらに会場が和やかになっていく。

聴く準備が整ったところで、



 牧丘病院が訪問診療や在宅に力をいれていることを写真とともに説明しました。




2番手:I病棟NS Aさんの事例の概要を説明しました。



続く

2009年12月14日月曜日

おわり そして はじまり


昼過ぎ 古屋先生から 「面白い本があるから」 と 電話が 確かに かかってきた。

病院に行こうと思い立ったところまでは、覚えている。

気がつけば 翌日の朝。

空腹で目が覚めた。

そして

ごはんを食べてみた。

たべると、トイレに行きたくなった。

便がでた。

身体がスッカラカンだ。


とたんに、走りたくなり、家を飛び出して、ぶどう畑を駆け回った。

汗をかき、はて 最後にお風呂に入ったのはいつだったか 勘定した。



思いだせない。 


しかし ひさしぶりの湯は たいへん気持ちよかった。


 8時。さあ、出勤。いってきます。



ここ半月。多くの行事がありました。

エネルギーが充電しましたので、ブログを更新していきます。


牧丘 オーハラ 

2009年12月4日金曜日

患者さんが語る先生4



つづき

在宅チームが動き出す時。

感動したことが一つある。

チームに上下関係がなく フラットでした。

体位交換をしたり、摂食介助をしたり、冷蔵庫の賞味期限を確認する

看護師のような院長ですので、

看護師の視点も十分すぎるほどもっている。

そのぶん、話が早く 在宅の視点がチームで共有しやすい。

また 看護師にとっては、看護の領域の重要性をしっている院長であるが故

厳しくもある。



 さて、在宅チームには院長だけでなく、魅力的な女医のチームもある。

この女医チーム。各職種が、先生も含め、最大限に意見を交し、いつも活気がある。


 女医「私は、チームの一員よ」 

 それは、多職種や先生含め、互いの言動 働く姿勢から 容易にみてとれます。

 チームで一緒に作り上げる。先生は、それができる在宅の先生です。

 

牧丘 オーハラ

2009年12月3日木曜日

患者さんが語る先生3



続き

多くの患者さんが物語る先生の話を聴いて、

 皆で感動したり 笑ったりする。

また院長が物語る多くの患者さんや、その家族も、

一人ひとりが輝きだし人生が生き返ってくるような語りだ。

看護師さんたちも、物語は得意である。

 医療だけの視点ではないところを、いかに大切にしているか。


 例えば、満州から日本に戻り、山を開拓し、牧場を開き、年を経て、牛も集落もなくなったけれど、最後の住人として暮らしたいと、肺が悪いお年寄りが、酸素をしながら、標高の高い山の上で暮らしている。

 この患者さんの、物語。壮大なスケールでスタッフたちは語ってくれます。

 そして、訪問診療でお年寄りと会う。

 ただのお年寄りから、只者ではない映画のキラキラした主役に見えてしまう。 

 私は、牧丘で この物語の大切さを学んでいる。


つづく 牧丘 オーハラ

2009年12月2日水曜日

患者さんが語る先生2

話の続き


昼食の頃、

早く食べ終わり、病棟の廊下を歩いていると

病室で男が 食事中の患者さんの魚をほぐして骨を取っている。

院長だったそうな。




退院して在宅へ戻った時、

冷蔵庫の賞味期限を確認している男がいる。

院長だったそうな。




この方、在宅で診てもらい15年以上の付き合いだそうな。


微笑みながら話をしてくれた。




 
そして帰り道、男が座っていた。
 
パンクか。

院長らしい。







つづく 牧丘 オーハラ

2009年12月1日火曜日

患者さんが語る先生1


退院した在宅の患者さんから聞いた話。

入院中、隣のベッドの人が、すぐ人に用事を頼む人だったらしい。

「ちょっと、あれとって」「カーテン閉めて」、「身体の向きを変えてくれ」と。

ある日、

「違う! もっとこっちに身体を向けて!」

「こうけ?」 

「違う!」

と 身体の向きを変えようとしている男がいる。

看護婦さんは、たいてい女性なので 男性の声は おかしいなと思って振り向いた。

古屋院長だった。

これまで病院の先生というものは、患者さんから「身体の向きを変えてくれ」といわれると、たいてい「ちょっとまてて 看護婦さん呼んでくるから」と その場からいなくなってします。

けれど 牧丘の院長は、身体の向きもかえてくれる。

そんな先生なんだと

目を細めて語られていました。



続く 牧丘病院 オーハラ