
世界が船のように大きな波で上にいったり、したに落ちたり、グルンとまわった。
そして、言葉を手に入れてしまって、外側と内側とのパイプをつないでしまい、
内側の世界を自分のものだけにできなくなってしまった。
本を読み終えたあと、我に返り 気持ちを言語化している自分の速さに驚きました。
世界が大きく動いたように思える自分の心模様と子供のころの私を重ね、検証し、
この本を貸して下さった好奇心旺盛な民俗学者の子供時代の語りや、その学者とそっくりな子供に、
なんだか「有難うございます」と伝えたくて、温かな気持ちになった。
私は、夢中になると まったく周囲が見えない聞こえない子供でした。
それが思春期になると、次第に 友達から怒られ からかわれ
だんだん、
夢中になる自分を、私自身が恐れたものです。
なので、集中したふりをしながら周囲がみれて話がきける自分を作り上げたものです。
そして、極力 夢中になるものを削ぎ落とし、
我慢ならないときは、こっそりと 場所・時間を注意するようになり
一人になったものです。
そして30歳手前、
とうとう 一人にならなくとも、夢中になりながら、周囲の話も聴けるようになっていました。
これは、いよいよスタートなのか。
それもとも、失ったものを切なく思うのか。
まったく、とんでもない本です。
その時代をもつ人のために
深くしみます。
『思い出のマーニー』
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